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結節性硬化症におけるチーム医療と成人先天性心疾患の共通性

[2019.09.01]

こんにちは、院長の面家です。

 

先日結節性硬化症のセミナーを受講しました。

てんかんや発達障害などの神経系症状や心臓腫瘍などの循環器系症状を有する疾患です。わたしは胎児心エコーを専門として行っていたため、胎児に心臓腫瘍が疑われた際などによくご紹介をいただき診断、診察をしていました。出生後も心臓面を中心に不整脈や循環の管理を行っていましたが、やはり全身症状は小児神経の先生中心に診療していただいておりました。

今回の講師は聖隷浜松病院の先生でしたが、結節性硬化症は全身疾患であり、一人の専門家だけではフォローは困難であり、コアとなる先生方を中心にそれぞれの臓器の専門の先生がチームを組んで行うということでした。それによりそれぞれの専門性を活かしながら検査などの大切な時期を失わないように、そして適切な時期に治療を行うことが重要であるというテーマでした。

もちろんこれらの情報を私が現在も診療している患者さんに共有しましたが、これは成人期に達した先天性心疾患の患者さんとも同じであり、今はそういう時代になってきているのだと感じました。

成人先天性心疾患患者さんは小児期とは異なり、成人期特有の問題が出現してきます。もちろん生活習慣病もそうですが、小児期とは異なり、肝臓や腎臓など心臓以外の臓器にもこれまでの治療に関連した問題や全く関係がない問題なども出現します。また病気ではない問題(就職、妊娠、出産、育児、介護など)も多くなります。

それらの問題を一人の医師で対応することは困難です。しかし妊娠という病気ではないこと一つとっても心疾患に詳しくない産婦人科の先生にすべての責任を負わすのは結局産婦人科の先生のリスク回避、つまり診療拒否につながります。そのため成人先天性心疾患の専門医が循環評価を行いながら、産婦人科の先生方と共同で診療していくことが大切です。このようにチーム医療を単一の病院もしくは地域で構築することが大切です。

これからは多くの難しい病気に対してチーム医療を病院単位や地域単位で構築していく世の中になると思いますし、ぜひそうなっていただきたいと思います。

 

さて先週は私の出張のため休診となりご迷惑をおかけしました。またどこかでどんな研修を受けてきたのか報告したいと思います。またクリニックの周辺では手足口病が流行りはじめました。りんご病(伝染性紅斑)のお子さんもチラホラ診られます。お困りの際はクリニックに起こしください。では。

 

 

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