お子さんの便秘
〇便秘とは
排便回数や量が少なくなった状態。お子さんによって排便のリズムには個人差がありますが、3歳前後のお子さんなら、2~3日以上排便がないような状態を指します。
〇便秘の原因
まれに先天性の腸の病気によって起きるものがあります(ヒルシュスプルング病など)。
多くは食事、運動などの生活習慣によって生じます。そこに腸の長さや動き方といった体質がかかわってきます。
乳児では、母乳やミルクの飲む量が少なかったり、幼児では食物繊維が少ない食事や排便を我慢することがきっかけで悪化することがあります。特にトイレトレーニングの時期にがまんしたり、本来排便するべきタイミングを逃したりして徐々に便が硬くなり、硬い便を出すとおしりが痛くなることを知り、がまんする。そしてまた硬くなるという悪循環に陥ります。
〇便秘の症状
乳幼児では、おなかが張っている、機嫌が悪い、食欲低下などを示します。また硬い便を出すために強くいきみ腹痛を伴ったり、肛門痛や便に血がついたりすることがあります。
急激な腹痛で発症することもあります。実際、医師は救急外来で強い腹痛を訴えた場合、大人も子供も男性も女性もまずは便秘の存在も考慮しているほどです。
便の硬さも様々です。そのためただ「うんちが硬いです」では伝わらないこともあります。そのため下の図を参考に硬さを患者さんと医療者が情報共有するのが大切です。当院では「最近は4-5番の硬さです」などと情報を教えてもらっています。
〇治療
自宅でできることは繊維質の多い食物をたくさん食べましょう。水分も多く摂ることが大切です。適度な運動も効果的です。
排便の習慣をつけることも大切です。便意が無くても決まった時間にトイレに行くこと。便意を認めたときには我慢せずトイレにいくことも大切です。
それらの生活習慣調整でも改善しない場合は薬物治療となります。
大きく「硬い便を柔らかくする薬」と「腸の動きを助けて出しやすくする薬」の2つに分けられます。硬い便のお子さんはまず柔らかくすることを目指しましょう。硬いまま腸の動きをよくしても硬くて出せないのに苦しい状態になります。そのためまず柔らかくして、それでも便秘が残るときには腸の動きを良くすることを目指います。
〇治療のゴール
痛みなどを伴わない定期的な排便習慣が目標です。便秘のお薬は比較的長期(数か月単位)に使いながら体質を整えていくことが多いです。長丁場になりますが、一緒にがんばりましょう。
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