予防接種:ロタウイルス
こんにちは、院長の面家です。
今日は予防接種のロタウイルスワクチンについて説明をさせていただきます。
予防接種:ロタウイルスワクチン
どんな病原体を予防するの?
ロタウイルス
ロタウイルスは冬季に流行しやすいウイルスです。
どんな病気を予防するの?
ロタウイルスによって発症する代表的な疾患は「感染性腸炎」です。下痢、嘔吐が著しく脱水となり入院することも多いものです。ウイルスですので抗生剤が効かず、インフルエンザのような特効薬もありません。
またもう1つの代表的な疾患に「脳炎・脳症」というものがあります。このウイルスが脳炎・脳症の原因ともなり、小児集中治療室での治療を必要とすることもあります。
どんなタイミングで接種するの?
1歳未満で接種するワクチンの中でこのワクチンはちょっと注意が必要です。それは「生ワクチンである」ことと、もう1つは「接種する期限がある」こと、「2種類あり、接種間隔・回数が異なる」ことです。
「生ワクチン」:これは次回ワクチン接種までに4週間間隔をあける必要があります。そのため、接種するワクチンが多い1歳未満では同時接種が必要です。
「接種する期限がある」:このことも他のワクチンと異なります。もちろん他のワクチンも推奨時期がありますが、風邪などで延期となっても接種できる期間に余裕があります。しかしロタウイルスは2種類どちらも接種期間が定められています。これは乳児期特有の腸重積という病気と関連があります。腸は長いホースみたいな構造になっています。そのホース自体が入り込み血流障害が出てしまう恐ろしい病気です。生後半年すぎまでロタウイルスワクチンの接種が遅れていると腸重積の発症率が上昇してしまうという報告があります。そのため乳児期前半に接種し終われるように初回接種は遅くとも14週6日までに開始できることが推奨されています。
「2種類あり、接種間隔・回数が異なる」:他のワクチンも製造会社が異なることはありますが、基本同様の使用方法となりますが、ロタウイルスは全く異なり、2回接種(ロタリックス)と3回接種(ロタテック)となります。基本的には予防効果も変わらず、1回の値段は2回接種のものが高いですが、2回と3回を全部接種した場合はだいたいどこの病院でも同じくらいの値段になることがほとんどです(端数くらいは違いますが。。。)。当院では早期に接種が済むように2回接種のものを優先しておすすめしています。ただし里帰り出産などで3回接種タイプを使用されている場合はそれで調整しますので、ご連絡ください。
では