成人先天性心疾患 ホルター心電図のすすめ
こんにちは、院長の面家です。
今日は成人先天性心疾患のe-learningコンテンツで勉強をしました。
日本の成人先天性心疾患の第一人者である丹羽公一郎先生の講演を受講しました。ちょっと古い(数年前)で、私自身何度も講演を拝聴しているのですが、やっぱり温故知新ではないですけど、総論を改めて確認しようと思い勉強しました。
成人先天性心疾患の方がどのように悪くなっていくのか、死亡の原因は、代表疾患であるファロー四徴はどうなるのか?、妊娠出産はということの総論的なお話を伺いました。
やはり成人先天性心疾患の方には突然死が少なくないんですよね。昔からのデータもそうですが、私自身が以前学会で発表したデータもそうでした。重症で動けない、呼吸が苦しい、データも悪いっていう状態の方が治療の甲斐なくお亡くなりになるというのは成人先天性心疾患に限らず、どの病気でも同じだと思います。ですが、比較的コンディションが良いと思われる方がお亡くなりになるのも成人先天性心疾患の一つの特徴です。これは基本は不整脈だと思っています。一見元気にみえても、心臓に問題を抱えていること、メスが入ったり、弁逆流などの遺残症を抱えていることが不整脈のリスクとなります。
いわゆる心不全は普段からあるため、診察時でもわかりやすいです。そのため私たち専門医の診察を受ければ今どの程度の心不全があり、どのような治療が推奨されるかどうかということが判断可能です。
一方、不整脈は診察時に必ずしも検出できません。患者さんご自身が不整脈に敏感で動悸を訴えてくださればいいのですが、全く気づかない方もいらっしゃいます。そうすると大切になってくるのは不整脈のチェックになります。夜間に不整脈がでたり、運動時に不整脈がでたり、色々なパターンがありますので、ホルター心電図などを用いながら定期的に検出を試みるのが大切です。
岐阜県総合医療センター時代もホルター心電図検査をおすすめしましたが、中々実施は困難でした。なぜなら、①ホルターをつける、②ホルターを外す、③ホルター結果を聞く、の3回受診しなければならないからです。そしてそれはどれも平日の夕方までに行わなければなりません。
私がクリニックを開設して行いたかったことの一つがホルター心電図の件数増大です。クリニックであれば、夕方や土曜日に装着することができます。今日も小学生さんが土曜日を利用して装着されました(現状では初回ホルターの方は平日にお願いしています、2回目以降が必要な方や先天性心疾患などで定期受診されている方のみ土曜日可能としています、ご容赦ください)。
そして結果説明も今準備中なのはオンラインでの結果報告です。もちろん保護者の方だけが結果を聞きに来てくださることも多いのですが、成人の患者さんの場合はご自身で聞いていただかなければなりません。そのためスマホなどを使用したオンライン診療の準備を現在進めています。もう少し整ったらご提案させていただきます。
岐阜県総合医療センターなどで診療されている患者さんでホルターを学校や仕事と重ならないように検査したいという希望の患者さんは主治医の先生が了承され、簡単な紹介状で結構ですので頂いてくださればホルター検査を行いますので、気軽にご相談ください。
なんにせよ、ホルター心電図はどれだけでも多く検査を行い、突然死を防ぐべく評価を反復していくことが大切だと思っております。
では。