心不全講演会
こんにちは院長の面家です。
週末は大阪でクリニックにおけるスタッフ教育というテーマでのセミナーに出席してきました。教育ならぬ共育、ともに学ぼうという姿勢が大切だと教えられました。また小さな組織ですが、トップが成長しなければいけないとも言われました。ますます精進しなければと思う次第です。
さて、7月も後半になりましたが、まだ参加したのにご紹介できていない講演会が溜まってきてしまいました。
7月11日にwebで「ガイドラインに準拠した心不全の薬物治療 急性・慢性心不全診療ガイドラインについて」という講演会を聴講しました。演者は九州大学循環器内科教授の筒井裕之先生でした。私はもともとが小児科で小児の循環器の研修を積んできましたが、成人期に達した小児期発症の心疾患患者さん「成人先天性心疾患」患者さんを診療するために成人の循環器内科専門医の資格も取得しました。その中で小児だけでなく、成人の学会にも毎年数多く参加していますが、この先生は非常に理路整然とお話されるので、講演があると結構選んでお話を聞いていた先生です。
今回は改定されたガイドラインの総論からのお話でした。以前は心不全のガイドラインは急性と慢性に別れていましたが、私たち実地の臨床家としては急性から慢性への以降に明確な区切りはなく、患者さんを一連として診ていく中で別に分ける必要はないとも思っておりました。欧米のガイドラインも近年すべてひっくるめて心不全ガイドラインとしていたので、今回日本も同じようになってきてより理解しやすいものになってきました。
内容での一番のポイントは左心室の収縮率(収縮力)を元にした心不全の分類がより細かく分かれることになったことです。
一昔前は収縮力が低下したひとだけが心不全だ、という考え方でした。
その次は収縮力が低下していなくても、心臓の伸び縮みする、伸びのほうが低下すること(拡張不全)も心不全として重要だという考え方が追加されました。
そして今回明示されたのは、その境界型があるということと、収縮力が低下した方が改善し、今は収縮力が低下していないという方の2パターンが追加されました。現場の医師としては非常によく経験するため、そうだそうだとも思っております。
こういった情報をまた担当させていただいている患者さんがたにうまく伝えられたらと思い、日々勉強しております。
先週までの手足口病の嵐がちょっとましになってきたでしょうか?まだまだ多いのですが、夏休みに入り接触が少なくなることで感染拡大が収まるといいなと思います。今日は雨でしたが、暑い夏が始まります。熱中症には十分気をつけ、体温管理、水分管理(塩分も大切ですよ)を心がけてくださいね。では。