心雑音を指摘されたら 〜新生児編〜
こんにちは院長の面家です。
今日は心雑音について触れてみたいと思います。
年代に応じて心雑音の意味合いが変わってきます。まずは大事なお子さんが産まれて幸せの絶頂にあるときの「お子さんに心雑音があります」という医師の発言について考えてみます。
ポイントは心雑音に加えて次の2つがあるかどうかです。
①チアノーゼ
チアノーゼ(cyanosis)とは顔色が悪い、青っぽいという表現です。テレビやプリンタの色にシアン(cyan)というのがあると思います。青ですね。つまりチアノーゼとはcyanの状態という表現です。でも実際に医師がみ ても本当に顔色が悪いのかどうかってわかりにくいときもあります。そこで大切になってくるのがサチュレーション(SpO2)測定です。酸素の飽和度(通常は97-100%)で、サチュレーションが低い、つまり酸素飽和度が低いことをチアノーゼありといいます。
最近の複雑型の心疾患、特に単心室と言われる状態の患者さんの胎児期の診断率は向上してきています(もちろんまだ生後に見つかる方も多いのですが。。。それを診断できないといっても決して産婦人科の先生を非難することはできません、いつか機械がもっと進歩してより多くのお子さんが胎児診断され、出生直後から適切な医療を受けていただくことができるといいな、と思います。これはまた別の機会でお伝えしますね)。そうすると胎児診断をすり抜けやすいのが、しっかり4つの部屋(左右の心房、心室)があるタイプの病気です。
チアノーゼがあり、心雑音が早期に発見されやすいのが、ファロー四徴や両大血管右室起始、肺動脈狭窄などです。
②活気
①のチアノーゼがなく、心雑音がある場合、特に生後1日から2日以降に始めて心雑音が聴取される患者さんは心室中隔欠損や動脈管開存などの可能性が高くなります。未熟児でなければ比較的落ち着いていることが多く、ゆっくり産科クリニックを退院し、その後に小児科や小児循環器科医を受診すればよいでしょう。
また弁逆流がなどが原因のことがあります。これも胎児エコーでカラー検査をしていない時に見つけにくいことがあります。これも活気がない場合は小児科・小児循環器科受診を急ぐ必要がでてきます。
まとめ
以上のように、新生児期の心雑音は何らかの心疾患がかくれていることが多いと考えられます。産科の先生や小児科の先生は①、②をあわせて心雑音発見から発見される心疾患の診断率をあげようとしています。
不安でしょうが、全国の小児循環器科の先生や小児科で心臓外来を行っている先生がたの診断率は非常に高いのでまずは受診し、説明を受けてください。
次回以降に乳児期や幼稚園の時期、小児期、成人期などについても触れていきたいと思います。
ではまた。
(以前別名でブログをしていたときにupしていた記事を再掲しています)