心電図異常を指摘されたら その3
こんにちは、院長の面家です。
本日は「心電図異常を指摘されたら」のその3
3) 心電図異常:波形異常
についてお届けします。
3) 心電図異常:波形異常
心電図は心臓から発する微量の電気信号単純に電極に向かってくるもの(+)と遠ざかっていくもの(−)の2つで表しているkだけです。そして横軸に時間を示すことで、時間とともにその電極に電気信号が向かってくるのか遠ざかっていくのかをみています。
これだけでは心臓が動いているかどうかしかわかりません。そのため、心臓という立体の模型を体の中心にイメージしてもらい、その模型を包み込むように体を大の字にしたときの面で360度包み込む方向(両手両足に貼る電極)、
また前後左右方向に包み込む方向(胸に貼る電極)で合計12個の方向を定め、検査します。そのため一般的な心電図検査のことを12誘導心電図と呼びます。
こうすることで何か良くなったかというと、心臓の中にある4つの部屋(右心房、右心室、左心房、左心室)からの電気の特徴がわかり、どこに負担がかかっている、どこに心筋梗塞の原因がある、などがわかるようになってきたのです。
大人の場合は、胸痛で受診されるときや健康診断のときなどに心筋梗塞の場所やそのリスクを判定するのに用います。
小児の場合は先天性心疾患や川崎病のあとのフォローなどで用います。
では学校心臓検診ではどのようにして用いているかというと、やはり「乳幼児期に発見されにくかった先天性心疾患」「心筋症」を見つけるのが主目的となります。
「乳幼児期に発見されにくかった先天性心疾患」の代表は、心房中隔欠損です。孔が小さいと心雑音もしにくく、心電図での異常を元に心臓超音波検査(心エコー検査)などを追加するかどうかの判定とします。もちろん個性のことも多く、超音波検査をしても問題ないと言われることも多くあります。ただし学校心臓検診は見落とされてそのまま大人になってしまうことを防ぐのを主目的としていますので、強い個性というだけの人も多く二次以降の検診に回っていただくことになりますので、異常がなくともご容赦ください。むしろ取り越し苦労で良かったね、とポジティブに思っていただけるとありがたいです。
「心筋症」も同様で、大きな構造的には問題はないですが、心臓の細胞自体がうまく働けない状態で、有名なものに拡張型心筋症や肥大型心筋症などがあります。こちらについても強い個性でひっかかり、実際には何も異常がないひとが含まれますのでご理解ください。
では。