メニュー

院長ブログ

夜尿症 その3(2019.09.16更新)

こんにちは、院長の面家です。

 

今日は夜尿症の第3回に入ります。いよいよ治療ですよ。

 

[caption id="attachment_1597" align="aligncenter" width="617"]夜尿症診断のアルゴリズム.  (金子一成. 小児科医が知っておきたい夜尿症のみかた から一部改変) 夜尿症診断のアルゴリズム.
(金子一成. 小児科医が知っておきたい夜尿症のみかた から一部改変)[/caption]

3)夜尿症の治療

●治療の基本

2の病態を考えると、どのようにお子さんの基本的な病態が重なり合っているのかを踏まえて治療を行います。

「夜間多尿」→おしっこを濃くする薬:○ミニリンメルト、△トフラニール

「膀胱が小さい」→膀胱を大きくする治療(適切な反応をさせる治療):○アラーム療法、△バップフォー、ポラキス、べオーバなど

「夜間覚醒異常」→ 起こす これやってはダメです。

「そもそもの水分調整」→◎生活指導(行動療法)

 

●治療アルゴリズムの紹介と課題

推奨されているアルゴリズムでは最初はミニリンメルトかアラーム療法、場合によってはミニリンメルトからでよい様に書いてありますが、これには課題があります。生活指導が十分できているかということです。もちろん膀胱が小さいことに対しては膀胱を拡げることが大切というのが基礎にあるが、それ以上に実際の生活リズムが整っていない患者さんが多いのが実情です。低学年のお子さんほど自分自身に夜尿に対する困った感がありません(お母さんはとっても困っているのに。。。)。でもあまり本人に言いすぎてダメなことをしているというように自己肯定感を下げるようなことは避けなければいけませn。

 

膀胱容量が小さい患者さんに対して、本来はバップフォーよりもアラーム療法がメイン。アラーム療法の詳細な効果のメカニズムはわかっていない。現在推測されているのは

膀胱からの尿意→しかし夜尿する→センサー反応→アラームの音→交感神経刺激が入る→膀胱が緩む

これを繰り返すことで

膀胱からの尿意→膀胱が緩む→夜尿しなくてすむ

ということでは無いかと言われています。以前はアラーム時には起こす施設が多かったのですが、覚醒の有無で治療効果に差がなかったということですので、当院では起こさなくていいですよ、と指導させていただいております。ただアラームを消すために親さんは起きてしまいますね。むしろおねしょの無い同室の兄弟姉妹が起きてしまうことも。。。

 

●各治療の作用と副作用について
・ミニリンメルト(デスモプレシン):

腎臓で水分をおしっことして出すのを抑制します。副作用は水をため込む水中毒です。就寝60分前に服用します。スプレータイプもあります。 

 

・アラーム療法:

行動療法の一つ。国際学会のガイドラインでは第一選択とされています。治癒率は約70%、再発率は15%程度と有効です。しかし課題としてはドロップアウトする率が30%と高いこと、速効性がなく、効果を実感するまでに数か月以上かかることです。

 

・バップフォー(プロビベリン):

抗コリン薬と呼ばれる薬の一つです。膀胱の副交感神経を抑制して排尿筋収縮を減弱させます。その結果最大膀胱容量の増大、膀胱の無欲性収縮を減らします。就寝60分前に服用。

 

 

・漢方:

多尿型で口渇あり→白虎加人参湯、膀胱型で冷え症→小建中湯、苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)、緊張・ストレスタイプ→柴胡桂枝湯、抑肝散 などなど

 

上記の様な治療法をお子さんの病態に合わせて提案します。明日は夜尿に関しての生活指導など諸々をお伝えします。シリーズ最終章をお楽しみに。では。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME